セミナー概要

ビジネスを行う上で施策の効果を測ることは非常に重要なテーマとなります。近年のデータサイエンスの発展に伴ってデータに基づいた効果の測定が頻繁に行われるようになってきました。しかし、そのデータで測った施策効果は本当に正しいものでしょうか?

あるスマホのアプリを運営している企業が、そのアプリの紹介CMを打った際のユーザーデータを集計したデータがあります。CMに接触したグループとCMに接触しなかったグループの一定期間におけるアプリ利用時間の平均値を表しているのですが、このグラフによるとCMに接触しなかったグループの方が利用時間が長いという結果が出ています。これはCMに接触すると利用時間は短くなってしまうのでしょうか?CMは逆効果なのでしょうか?

実はこの分析にはある問題が含まれており、CMは逆効果という読み方は良くありません。実際にはCMはプラスの効果があるにもかかわらず、データ分析上マイナスの効果が表れてしまう不思議な現象が起きることがあるのです。このグラフから素直に結果を読み取ってしまうと、誤った判断をしてしまい損失につながってしまうかもしれません。

そこでこのような誤った判断を行わないために、因果関係の正しい読み方、正しいデータ分析の方法を学べる因果推論のセミナーを開催します。なぜ上記のような現象が起きてしまうのか、このデータから正しく因果効果を明らかにするにはどのような分析を行う必要があるのか、こういった内容を全4回に分けて丁寧に解説していきます。本動画を視聴すれば、データから物事の関係性を読む視点が養え、間違った判断を行わなくなるでしょう。

動画内では様々な分析手法をご紹介いたしますが、手法の説明はセミナー内で行いますので初めての方もご安心してご参加ください。

【本動画のポイント】
①全400ページを超える丁寧な資料
デザイナー監修のもと、操作手順まで1つずつ丁寧に記載。資料を読むだけでも内容が理解できます。

②豊富な演習問題つき
講義はExcelを問題を解きながら進めていきます。手を動かすことで理解が進むような構成としています。

③大手企業の分析経験を持つデータサイエンティストが監修
講義内で扱う内容は監修者の経験に基づくものとなっており、非常に現実的な分析を学べます。
岡本 健太郎
Okamoto Kentaro
<講師略歴>
学歴:九州大学大学院数理学府博士後期課程修了(数理学博士)
出身:山口県下関市
所属学会:日本数学会, 日本アクチュアリー会

資格:高等学校数学科教員免許(専修免許), 統計検定1級(数理統計)

数理学の博士号を取得した切り絵アーティスト。
ドイツのチュービンゲン大学で研究員として滞在。
また、日本学術振興会の特別研究員として様々な分野の研究者との交流を深め、血管の数理モデルの構築など、純粋数学から応用数学にかけて研究を行う。

数学教育にも力を入れており、学生から社会人まで、わかり易く授業を展開。
指導可能範囲は中学・高校数学から、大学の教養・専門分野、データ分析まで幅広く対応。
また「数学」を使ったアート活動(切り絵)を通して、数学の有用性だけでなく美しさや魅力について積極的に発信。

セミナー内容

第1回(因果推論とRCT)
・データから原因と結果(因果関係)を読み取るには
・因果関係がなくてもデータが連動してしまう現象を理解する
・因果関係を正しく分析する分析方法(RCT)を理解する
・因果関係か疑似相関かを判断する思考練習
・【Excel演習】メールクーポンの効果はいかほど?メールクーポンの効果測定

第2回(層別解析と交絡調整)
・RCTの弱点と層別解析
・相関関係と因果関係の違いを理解する
・合流点バイアスという厄介な現象
・【Excel演習】サプリを飲んだら痩せる?ダイエットサプリの効果測定
・【Excel演習】TVCMは逆効果?TVCMの効果測定

第3回(回帰モデルと因果推論)
・層別解析の弱点と回帰モデルの基礎
・回帰モデルを使って因果推論を行う方法
・DAGを用いた偽の因果を見つける方法
・【Excel演習】キャンペーンは効果があった?キャンペーンがお客様数に与える影響
・【Excel演習】経済分析に挑戦!教育水準と収入との関連性

第4回(ロジスティック回帰)
・質的データの回帰分析
・ロジスティック回帰ツールの使い方
・因果推論の補足的内容(多重共線性・完全分離)
・【Excel演習】どんな人が退職する?退職に影響を与えている要因分析
・【Excel演習】退会者を阻止しよう!退会者阻止キャンペーンの効果測定

受講対象

・お仕事でデータ分析にかかわる方(マーケティング・人事・販売管理)
・ビジネスにデータサイエンスを導入したい経営者の方
・統計学やデータサイエンスを学びたい方
・因果推論に興味のある方

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